郊外の家 001 / Suburban House 001
ご夫妻とその子供達のための既存住宅のリノベーションである。ご相談を受けた時は、リノベーションを前提にいくつかの中古住宅の候補を頂き、立地の利便性や安全性、規模などから判断して購入を検討頂いた。
ご夫妻がリモートで仕事をすることが多いこと、子供たちの成長やライフステージの変化による将来の家族構成などを考えた際、それぞれが好きな場所で自由に過ごしながらも家族の気配がちゃんと感じられる、充分な広さを確保した空間を思い描いた。2階の既存の個室群は天井の断熱を増やしたり、壁紙の張替えなどに留めたが、1階の既存の壁は極力撤去し、空間全体が一体となる広々とした空間とした。
既存の住宅は型式認定を受けたハウスメーカーによる軽量鉄骨造である。すでに同じハウスメーカーの住宅のリノベーションの経験が数件あったため、壁や天井を撤去すると、どのような構造が露わになるのかは予測できた。
住宅の立地する場所は、大手企業の無骨な工場が立地する企業城下町のような様相があり、郊外の風景が広がっている。露わになった鉄骨など建築を構成する既存のエレメントの素材や寸法に寄り添いながら、階段室の手摺や床のFRP、シルバー塗装など、リノベーションで新たに付与する要素を注意深く設計し、工場や郊外の風景に馴染む空間を設計した。
1990年代に建設された既存住宅なので、断熱の付与など基本的な性能は向上させているが、ほとんど外観は変わっていない。ほぼインテリアのみのリノベーションではあるが、せっかく計画地の立地する地域と巡り合わせたのだがら、設計依頼主には街に暮らす喜びを感じて欲しいと思っている。

計画概要
計画地:福岡県福岡市西区
構 造:軽量鉄骨造(型式認定)
工事種別:改修工事(リノベーション)
施工面積:184.40㎡
意匠設計:水谷元/水谷元建築都市設計室
照 明:中村達基/BRANCH LIGHTING DESIGN
施 工:久木原工務店
All photo by Yousuke Harigane










